Column

べんもうコラム

  • 2025.12.21

    住職が亡くなったあとの、かなり現実的な話

    お寺の住職が亡くなった時の手続きについてご質問がありましたので共有します。

    住職が亡くなると、まず最初にやらなければならないのが死亡届の提出です。

    これは一般的な役所への届け出とは別に、宗派への提出も必要になります。

    身内としては、まだ気持ちの整理もつかない中ですが、残念ながら手続きは待ってくれません。

    そして次に出てくるのが、宗教法人としての**「代表役員」**の問題です。

    宗教法人では、代表役員(多くの場合、住職)が亡くなった場合、責任役員による会議を開き、新たな代表役員を選出することになります。

    ここで選ばれるのは、すでに責任役員になっている方の中から。宗教法人の規則に基づいて進めるため、

    「じゃあこの人で」

    「外から経験者を呼ぼう」

    といった、簡単な話にはなりません。

    逆に言えば、

    外部の人が簡単に入り込めないよう、きちんとガードされている仕組みでもあります。

    ただ、ここで多くの人が戸惑います。

    ・どんな書類を用意すればいいのか分からない

    ・何を、どこに提出するのか分からない

    ・役所や法務局の独特な空気に飲まれる

    特に官公庁って、悪いことをしていなくても、なぜか怒られそうな雰囲気がありますよね。

    手続きそのものは、一つひとつ見ていけば、そこまで難解なものではありません。

    ただ、「何も分からない状態」で行くと、精神的なハードルが一気に上がります。

    だからこそ、これは一度、経験しておいたほうがいいことだと感じています。

    住職になる!宗教法人の代表役員になる!

    その言葉だけでは分からなかった責任の重さを、こうした事務手続きを通して、実感することになります。

    なお、ここで注意が必要なのは、

    ・宗派へ提出する書類

    ・法務局へ届け出る書類

    これらはまったく別物だという点です。

    「さっき出したから大丈夫だろう」と思っていると、「それは宗派の書類ですね」と、あっさり言われたりします。さらに宗教法人は、年に一度、決算書類の提出もあります。

    普段、法務や会計に触れていない住職にとっては、正直、かなり面倒です。

    ただ、やり方を知らないまま不安を抱えるより、一度きちんと全体像を知っておくこと。

    そして、自分でやるところ、専門家に任せるところ。この線引きを考えることが大切だと思います。

    行政書士さんや税理士さんに依頼するのは、「丸投げ」ではなく、役割分担です。

    ちなみに、これらの手続きは徹底的に事務的です。

    悲しみや事情は考慮されません。その分、とてもドライに感じる場面も多いです。

    でも、それが制度。そう割り切らないと、住職や寺族の心が持たない場面もあります。

    気持ちと手続きは別。この切り分けができるようになることも、住職としての一つの成長なのかもしれません。

    分からないことがあれば、遠慮せず宗務所や法務局に聞くことをお忘れなく。

    聞くのは、恥でも迷惑でもありませんからね。

    ※YouTube更新しました

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