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2026.03.14
丑三つ時の水は、薬を飲むのに効果的
丑三つ時というと、どうしても怖い時間というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし昔の人は、この時間をまったく違う意味でとらえていました。
丑三つ時は、草木も眠るほど静かな時間です。
世の中の音も、人の気配もほとんどなく、まさに一番静寂に包まれる時間です。
その時間に汲んだ水は「霊水」と呼ばれ、
薬を飲む水としてよいと考えられていました。
病気のときには、わざわざ夜中に水を汲みに行く人もいたそうです。
今のように蛇口をひねれば水が出る時代ではありませんから、大変なことだったでしょう。
もっとも今は、ひねればジャーっと水が出る時代ですからね。
なかなかそこまでしようという人はいないでしょう。
丑三つ時を嫌う人がいるのは構いません。
ただ、「陽は良くて陰は悪い」と決めつけてしまうのは、少し違う気もします。
もしそうなら、
太陽は良くて月は悪い、
昼は良くて夜は悪い、
という話になってしまいます。
しかし本来、陰はこの世の中にとても強い力を与えている存在でもあります。
人間の生活に合わせて、
日が昇ればプラス、
日が沈めばマイナス、
というような考え方が広まった面もあるでしょう。
夜は人が休む時間ですから、邪魔されたくない。
その気持ちが、夜を少し怖いものとして語る文化を作ったのかもしれません。
陰陽道では「陰陽」という言葉の通り、陰が先で陽が後に来ます。
これは偶然ではありません。
古代中国の思想では、
陰は万物の根源であり、受け入れる存在。
陽はそこから現れてくる活動の力と考えられていました。
つまり
陰=根源、受容、静
陽=活動、発現、動
という関係です。
陰陽五行の思想でも、万物は陰と陽という二つの気から成り立つと考えます。
陰は日陰、静けさ、隠れた場所、冷たさ、受容性などを表します。
物事が生まれる場所、
まだ姿を現していない根源の力、
それが陰なのです。
ですから、陰も陽も本来は善悪で分けられるものではありません。
どちらも欠かすことのできない働きです。
一般には、陰という言葉から暗い・怖いというイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし陰には、静けさや落ち着き、内側に向かう力があります。
人が眠り、体を回復させる夜の時間も、まさに陰の働きです。
そう考えると、昔の人が丑三つ時の水を霊水として大切にしていたことも理解できます。
草木も眠るほど静かな時間に汲んだ水は、余計な気が乱れていない特別な水だと考えられていたのでしょう。
一方で、丑三つ時は古くから「鬼門の時間」とも言われ、魔が出やすい時間として語られることもあります。
これは陰の力が強くなる時間帯なので、人の心も乱れやすいという戒めの意味もあったのだと思います。
仏教でも、物事を単純に善悪で分けることはありません。
大切なのは陰と陽のバランスです。
真言宗には
「毒をもって毒を制す」
「邪をもって邪を制す」
という考え方があります。
強い力をもって悪いものを鎮める修法もあるのです。
ですから、陰そのものが悪いわけではありません。むしろ陰には、静まり、整え、回復させる力があります。
夜があるから朝があり、静けさがあるから活動が生まれる。
陰と陽は対立するものではなく、どちらもあってこそこの世界は成り立っています。
丑三つ時の静寂を、霊水を汲むのにふさわしい時間と考えた昔の人の感覚。
これは、なかなか奥深い知恵だと私は思います。
※護摩堂に安置していた文殊菩薩をまんだらホールに移動。俱利伽羅竜王を安置しました
※YouTube更新しました
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