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2026.01.20
葬儀式と火葬のドーナツ化現象が起きる!
「葬儀式のドーナツ化現象が起きる!」――私はいま、そう感じています。
まず、ドーナツ化現象とは、都市の中心部から人口や生活機能が外側へ移動し、中心部が空洞のように薄くなっていく現象のことです。
都心は地価や生活コストが高くなり、住むことが難しくなる。一方で郊外には比較的手ごろな住宅が増え、子育てや生活の拠点を外側に移す人が増える。結果として、都市の真ん中が“穴のあいたドーナツ”のような状態になっていく――これがドーナツ化現象です。
現代では、都内に住むことをあきらめ郊外に家を求める、あるいは仕事は都内に出勤するが自宅は県外にある人も増えていますね。
この状況は今も変わらず、ましてそのドーナツも中央部がどんどん広がりつつあります。
人が住まなくなるということ、住宅事情で郊外に家を持つ方が増えたことで、お墓も同じように23区外に作られるようになっていきました。
○東京都内の主な霊園・公営墓地
青山霊園(港区)
一般墓:462.8万円~
明治7年(1874年)9月1日開設(旧・青山墓地)
谷中霊園(台東区)
271.3万円~
明治7年(1874年)開設(旧・谷中墓地)
雑司ケ谷霊園(豊島区)
311.2万円~
明治7年(1874年)開設(旧・雑司ケ谷墓地)
これらは**「東京三大霊園」**とも呼ばれ、歴史と格式を持つ場所です。
多磨霊園(府中市など)
161.5万円~
大正12年(1923年)4月開設(日本初の公園墓地)
小平霊園(小平市など)
153.3万円~
昭和23年(1948年)5月開設
八王子霊園(八王子市)
123.2万円~
昭和46年(1971年)4月開設
八柱霊園(松戸市 ※千葉県)
35.1万円~
昭和10年(1935年)7月開設
このように、都心から離れるほど価格が下がる傾向がはっきりしています。
○永代供養墓の乱立と価格高騰
そして、**「お墓を持たない」「永代供養にしたい」**と考えている方もおります。
そのニーズに応える形で、永代供養墓が乱立することになっていきました。
ところが、都内では永代供養墓の金額も高騰し、結局は郊外を選ぶ方が増えてきました。
実際、天明寺で永代供養をされる方の多くは、東京都内の寺院や霊園と比較した上で来られています。
都心では手が届かない――その現実が、供養の場所を外側へ押し出しているのです。
○葬儀式そのものの郊外化
そして、現在はどうなっていくのか、と考えると、
「葬儀式を東京都内で行わない」
という選択肢を持つ方が、これからさらに増えていくのではないか、と予想されます。
ご存じの通り、都内の火葬場所は軒並み火葬料金が高騰しています。
公営火葬場
臨海斎場(大田区など5区運営)
該当区民:4万円~4.4万円
都営瑞江葬儀所(江戸川区)
都民:5.96万円
全国的には無料~1万円台の地域も多い中、都内公営は比較的高めです。
民営火葬場(東京博善など)
通常9万円前後(2025年時点)
2026年4月からは8.7万円に値下げ予定
設備が充実し予約は取りやすい反面、23区の火葬場9ヶ所中6ヶ所を運営しているため、料金高騰が大きな課題になっています。
○待機日数と隠れた費用
公営火葬場で火葬しようとしても、1週間から2週間ほど待つことも珍しくありません。
その間のドライアイス代、安置場所の費用がかさむことを考えると、「火葬代が高くても仕方がない」と感じてしまいます。
首都圏と群馬の比較
たとえば――
浦和斎場(さいたま市)
市内居住者:7,000円
市外居住者:56,000円
大宮聖苑(さいたま市)
市内居住者:7,000円
市外居住者:56,000円
埼葛斎場(組合市町:春日部市・蓮田市・白岡市・杉戸町)
組合市民:10,000円
組合市民外:60,000円
一方、群馬県では――
前橋市
市内居住者:無料
市外居住者:63,000円
伊勢崎市
市民居住者:無料
市外居住者:30,000円
渋川広域斎場 しらゆり聖苑(渋川市・吉岡町・榛東村)
圏内居住者:無料
圏外居住者:30,000円
この差は非常に大きいものです。
○葬儀と火葬の“外側化”
東京都内、あるいは首都圏(千葉・神奈川・埼玉)にこだわらなければ、群馬県内で火葬することで時間も火葬料金も安く抑えられるという現実があります。
生まれも育ちも東京、という方でなければ、
葬儀式や火葬を安価な斎場で行う
という選択肢も十分に考えられますね。
家も生活圏も都内ではなく都外へ。
首都圏の外へ。
――そう考えると、葬儀式も火葬も同じような流れになっていくことが、これからますます現実になっていくのではないでしょうか。
※先日、宇都宮市の火葬場所に行きました。とてもきれいで驚きました。
