Column

べんもうコラム

  • 2026.04.12

    お寺の将来を作り――限界を突破するには?

    お寺にいると日々、予期せぬことが起きます。

    これは住職だけでなく、住職の奥さんや家族にとっても同じです。

    とくに家庭内運営となっているお寺であれば、そのことをわきまえていなければなりませんが、それでもなお、不意を突かれる出来事に遭遇するのが現実です。

    多くのお寺の住職が感じている現場と、外から見られているお寺の印象はかなり異なります。

    このすき間を埋めるには、お寺に一年ほど住むくらいでなければ、なかなか理解できるものではありません。

    僧侶資格を持っている人であっても、朝から晩までお寺に携わっていなければわからないことがあります。

    ここでいう朝から晩までとは、もちろん24時間という意味です。

    要するに、寝ている間も住職であるかどうか。

    この違いは非常に大きいのが現実です。

    私は天明寺に住めず、アパートから通っていたころに感じていたことと、実際に住み始めてからの実感には大きな差がありました。

    それは、外から寄せられる問題や、自分の身の回りに突然起きる出来事に対して、いわば戦闘態勢を持てるかどうか、ということでもあります。

    突然の来客や電話だけでなく、境内やお堂内で起きるトラブルなど、大きなものから小さなものまでさまざまです。

    例えば、こうして文章を打っている最中に葬儀の連絡が入ることもあります。

    それらに対して、常に対応できる状態でいられるかどうか。

    これが問われます。

    たまに出張で県外に出かけたときには、この緊張状態から一時的に解放されることもあります。

    しかし、事務員からの連絡を受けたり、檀信徒からの相談メールがPCに転送されてくると、一気に現実へ引き戻されます。

    その瞬間、自分が住職であることを強く自覚させられます。

    住職とは24時間住職であり、たまに拝んで、たまに議論して、たまに意見を言うような関わり方とはまったく違います。

    もし、お寺を何とかしたいという思いがあるのであれば、「ああすればいいんじゃない?」と机上の空論を並べたてるのではなく、実際にやってみるしかありません。

    しかし、現代のお寺の住職の中には、その覚悟を持てていない方も少なくないのではないかと思います。

    ここでいう覚悟とは、自分の現実にお金をかけ、自己投資をすることです。

    責任を取る覚悟がなければ、お金をかけることもできません。

    その結果、何も変わらないという状況が生まれます。

    このままでは、お寺業界の先細りは確実に加速していくでしょう。

    しかもそれは急激にではなく、真綿で首を締めるように、静かに進んでいきます。

    そして現実に気づいたときには、すでに手遅れになっている可能性も十分にあります。

    だからこそ今、現実を見て、覚悟を決めること。

    他人に頼るのは一部にとどめ、自らの責任を自覚すること。

    ここが、お寺の将来を作り、限界を突破するために必要なことだと私は考えています

    ※桜も散り、もう葉桜の季節へ!

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